独自ドメインと証明書 — 公開した URL を自分の名前にする

この記事は、プログラミングやバイブコーディングをする上で最低限身につけたほうがよい IT の実践的な知識を 1 から身につける「IT 基礎知識講座の一部」です。
独自ドメインの設定は、ドメインを取る・DNS レコードで向ける・証明書を付けるの 3 つに分かれます。開けないときの切り分けまで図解で確かめます。

この記事は、公開した URL を自分のドメインに置き換え、https で開けるようにするまでを扱います。

デプロイした直後の URL は、事業者が自動で付けた長いものになっています。

手順書の「独自ドメインを設定する」「A レコードを追加する」「証明書を発行する」が、それぞれ何の作業なのかを読めるようにします。

自動で付いた URL を、自分のドメインに置き換えるまで
デプロイ直後の URLmy-app-3k2j.host.appドメインを取る公開サーバーに向ける証明書を付けるレジストラネームサーバー認証局飛ばすとhttp のまま
左から右へ、3 つの作業を順に行います。上の枠がそのとき相手にする事業者、下の枠が飛ばしたときに起きることです。

3 つとも相手が別々で、順番も決まっています。

ドメインを取る — 使う権利を期間で借りる

ドメインは買い切りではなく、期間を決めて使う権利を借りるもので、受け付ける事業者がレジストラ(registrar。ドメインの登録を受け付け、使う権利を貸し出す事業者)です。

1 つ取ると手前に好きな名前を足したサブドメイン(subdomain)も自分のものになります。

example.com を 1 つ取ると使えるようになるもの
example.com(取得した 1 つ)
  • レジストラで期間を決めて借りる
  • 更新を止めると使えなくなる
example.com
  • そのまま使える
  • 会社や個人の代表の名前になる
my-app.example.com
  • 予約アプリを置く
  • 追加で取得しなくてよい
test.example.com
  • 確かめ用に分けることもある
  • 本番と別の公開サーバーに向けられる
外枠が取得した 1 つのドメイン。中の 3 つはサブドメインで、追加の取得をしなくても自分で決められる。

サブドメインは、それぞれ別のあて先に向けられます。

本番と確かめ用を分けたいときは、追加でドメインを取らずにサブドメインで分けます。

ドメインは持ち物ではなく、借りている期間がある

レジストラの管理画面には有効期限があり、更新を忘れると使えなくなります。

自動更新の設定と、連絡先のメールアドレスが今も届くかを、取得したときに確かめておきます。

DNS レコード — ドメインとあて先を結ぶ 1 行

ドメインを取っただけでは、まだどこにもつながりません。

そのドメインを開いたときに、どのサーバーへ行くのかを書いておく必要があります。

この対応を 1 行ずつ書いたものがDNS レコード(DNS record。ドメイン名と、そのあて先を結び付けた 1 行の設定)で、レコードを持っていて問い合わせに答えるのがネームサーバー(name server)です。

ドメインを開いたとき、誰が何を答えるか
ブラウザネームサーバーあて先の番号だけが返るここにレコードを書く公開サーバー画面が返るここにアプリが載るあて先を聞く中身を求める
左から右へ。ブラウザは先にネームサーバーへあて先を聞き、返ってきた番号の公開サーバーへつなぎます。レコードを書く相手は上、中身を持っているのは下です。

レコードを書き換える相手はネームサーバーで、公開サーバーの中は触りません。

あて先を番号で書く 1 行がA レコード(A record)で、手順書の「A レコードを追加する」はこれを書くことです。

書き換えても、すぐには行き渡らない

ネームサーバーの答えは、途中の機器がしばらく覚えています。この覚えておいてよい時間がTTL(Time To Live)です。

レコードを書き換えても、TTL が切れるまでは古いあて先へ行く人がいます。切り替えの前に TTL を短くしておくと、待ち時間が減ります。

証明書を付けると、https で開けるようになる

あて先を向けただけでは、まだ http でしか開けません。

https で開くには、そのドメインの持ち主であることを示すファイルを公開サーバーに置きます。

これがサーバー証明書(server certificate。認証局が持ち主を確かめて発行するファイル)で、確かめる方法にはさきほど書いた DNS レコードが使われます。

証明書には有効期限があり、期限が切れるとブラウザが警告を出します。

多くのデプロイ先は、この発行と更新を自動で行います。

証明書の状態で、ブラウザに出るものが 3 通りに分かれる
正しく付いている付いていない期限が切れている鍵のマークと画面保護されていない通信の表示接続はプライベートではありませんそのまま使える開けるが警告が出る進むには警告を越える必要がある
左が証明書の状態、真ん中がそのときブラウザに出るもの、右が利用者にできることです。下へ行くほど、開くまでの壁が高くなります。

期限切れは、証明書を付けていない状態より強い警告が出ます。

自動更新に任せる場合でも、更新が止まっていないかは期限の前に確かめます。

向けるのが先、証明書はそのあと

ドメインを取り、DNS レコードで公開サーバーに向け、そのあとに証明書を付けます。

認証局は書いたレコードを読んで持ち主かどうかを確かめるので、レコードが無いうちは証明書を発行できません。

開けないときに見るところ

設定した直後は、開けないことがあります。

ブラウザに出るものが 3 通りに分かれ、それぞれ見る場所が違います。

開けないとき、症状で見る場所が決まる
名前が見つからないつながらない証明書の警告レコードがまだ無いあて先が違っている証明書が出ていないネームサーバーレコードのあて先公開サーバーTTL のぶん待つ向け先を直す発行し直す
左が症状。右へ進むほど、止まっている段階と直す相手がしぼられます。上から順に、名前・あて先・証明書の話です。

上から順に確かめると、どこまで進んでいるのかが分かります。

いちばん下まで来ていれば、あて先は合っていて残っているのは証明書だけです。

矢印 3 が証明書の発行、矢印 4 が認証局による持ち主の確認です。

利用者が開くときに通るのは、矢印 1 と 2 だけです。

症状で見る場所が決まる

名前が見つからないならレコード、つながらないならあて先、警告が出るなら証明書です。

3 つは順番に並んでいるので、上から順に確かめると、どこまで進んでいるのかが分かります。

QUIZ

理解度チェック

まずは1問ずつ答えてみましょう。

Q1独自ドメインを取ったあと、公開サーバーへ向けるために書き換えるのはどれですか。

Q2サーバー証明書を発行してもらう前に、DNS レコードを先に書いておく必要があるのはなぜですか。

Q3ドメインを設定した直後に「名前が見つからない」と出たとき、まず考えられるのはどれですか。