Q1同じ LAN の中のプリンタにデータを送るとき、ルーターを通りますか。
ネットワークの仕組み — データが正しい相手に届くまで
この記事は、プログラミングやバイブコーディングをする上で最低限身につけたほうがよい IT の実践的な知識を 1 から身につける「IT 基礎知識講座の一部」です。
ネットワークがしていることは、データを正しい相手に届けることです。同じ LAN の中と外で道が分かれる仕組みを、ネットワーク構成図で確かめます。
この記事は、ネットワークを扱います。
ネットワークがしていることは 1 つで、データを正しい相手に届けることです。
あて先を決める番号が IP アドレス、道を分ける境目に立つ機器がルーターです。
ネットワークの目的は、データを正しい相手に届けること
ネットワーク(network。ケーブルや電波でつながっていて、たがいにデータを送れる機器のまとまり)は、並んでいるのではなく入れ子になっています。
- 世界中の LAN が相互につながっている
- 自分のパソコン・同僚のパソコン・プリンタ
- この中だけで直接データを送れる
- 自分のスマホ・テレビ
- 会社の LAN の中は見えない
- データセンターの中にある
- どの LAN からでも届く
家や会社の中に作る小さいものがLAN(Local Area Network)、それを世界中でつないだ外側がインターネット(Internet)です。
ケーブルの代わりに電波で LAN につなぐ方式がWi-Fi(Wi-Fi)です。
同じ枠の中どうしなら直接データを送れ、枠が違えば直接は送れません。
手順の「同じネットワークにつないでください」は、同じ枠の中に入ってくださいという意味です。
| 見るところ | LAN | インターネット |
|---|---|---|
| 範囲 | 1 つの家や会社の中 | 世界中 |
| 直接データを送れる相手 | 同じ建物の中の機器 | そのままでは送れない |
| 外へ出るとき | ルーターを通る | すでに外側 |
ネットワークは並列ではなく入れ子
ネットワークとは、たがいにデータを送れる機器のまとまりです。
家や会社の中の小さいまとまりが LAN、それを世界中でつないだ外側がインターネットで、同じまとまりの中どうしなら直接、違うまとまりへは外へ出てから届きます。
同じネットワークの中なら、あて先の番号を見てそのまま届く
機器 1 台 1 台には番号が付いています。
これがIP アドレス(Internet Protocol address。ネットワーク上の機器 1 台 1 台に割り当てられた番号)です。
番号の前半(192.168.1)が同じ機器どうしが、1 つの LAN です。
送る側は、あて先の番号の前半を見て道を決めます。
同じ LAN の中なら、ルーターを通らずそのまま相手に届きます。
プリンタが同じ部屋のパソコンからすぐ使えるのは、この道を通っているからです。
「IP アドレス」と書かれていたらどちらか確かめる
設定画面や手順書の「IP アドレス」は、LAN の中の番号か、外で使う番号かが書かれていないことがあります。
192.168 で始まる番号なら LAN の中の話、そうでなければ外の話と見分けられます。
外へ出るデータは、ルーターが中継する
枠と枠の境目に立つ機器がルーター(router。2 つのネットワークの境目に立ち、届いたデータを次のネットワークへ渡す機器)です。
1 台ですが、内から見たときと外から見たときで呼び名が変わります。
外へ出るときに最初に渡す相手がデフォルトゲートウェイ(default gateway)で、設定画面の「ゲートウェイ」はふつうこのルーターを指します。
LAN の中だけで通じる番号がプライベート IP アドレス(private IP address)、インターネット全体で 1 つに決まる番号がグローバル IP アドレス(global IP address)です。
| 見るところ | プライベート IP | グローバル IP |
|---|---|---|
| 通じる範囲 | その LAN の中だけ | インターネット全体 |
| 重複 | 別の LAN に同じ番号がある | 世界で 1 つ |
| 持っているもの | LAN の中の機器 | ルーターの外側・公開サーバー |
外から見えているのは、ルーターが持つグローバル IP アドレス 1 つだけです。
自分で決めるのはあて先だけで、途中でどの機器を通るかはその時々で変わります。
外へ出る道は 1 本、通り道はルーター
ルーターは 2 つのネットワークの境目に立ち、外へ出るデータと外から返るデータを中継します。
外へ出るときに最初に渡す相手がデフォルトゲートウェイで、外から見えているのはルーターのグローバル IP 1 つだけです。
届かないときは、どこで止まったかを見る
中から外へは出られますが、逆向きはそのままでは通りません。
外の機器は LAN の中の番号を知らず、ルーターも外から来たデータをどの機器に渡せばよいか決められないからです。
これが、手元で動かした my-app に外の人がつなげない理由です。
外の人にも使ってもらうには、はじめから外側にあるコンピュータにファイルを移します。
それが公開サーバーで、移す作業がデプロイです。
公開サーバーは、はじめから枠の外に置いてあるコンピュータです。
移す作業は、この講座の「デプロイと環境変数」の記事で扱います。
相手が同じ LAN の中なら、ルーターは関係ありません。
外の相手に届かないときだけ、ゲートウェイの設定を確かめます。
公開サーバーが要るのは、外から中へ入れないから
中から外へは出られますが、外から中へはルーターで止まります。
手元のパソコンは LAN の中にあるので外の人からは届かず、誰からでも使えるようにするには、はじめから外側にある公開サーバーへファイルを移します。
理解度チェック
まずは1問ずつ答えてみましょう。
Q2LAN の中の機器が外のサーバーへデータを送るとき、最初に渡す相手はどれですか。
Q3自分のパソコンで動かした my-app に、外の人がつなげないのはなぜですか。