QUESTION

ある金融サービス会社は、金額に基づくルールを使用して、不正の疑いがある取引を保留しています。しかし、このルールでは新しい手口の不正を検出できません。確認済みの不正取引はほとんどありませんが、通常の取引データは大量にあります。 新しい手口の不正を自動的に検出するために、同社はどの方法を採用すべきですか。

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正解A

解説

不正の事例がほとんどない中で、今のルールで見逃している新しい手口の不正を自動で検出する方法を選ぶ

  • 1「このルールでは新しい手口の不正を検出できません」今の金額のルールや既知の手口をなぞる方法では見つからない。普段のパターンから外れるもの (外れ値)を見つける異常検出の用途
  • 2「確認済みの不正取引はほとんどありません」不正の事例を正解として学ばせる分類 (教師あり学習)には向かない
  • 3「通常の取引データは大量にあります」ラベルのない通常の取引から普段のパターンを学べる
A正解

大量の通常の取引データで異常検出モデルをトレーニングし、通常から外れた取引を保留する。

通常の取引のパターンを学び、そこから外れる取引 (外れ値) を見つけるのは、教師なし学習による異常検出です。教師なし学習は、不正かどうかのラベル (正解) が付いていないデータからパターンを見つけるため、大量にある通常の取引の記録をそのまま使えます。不正と確認された事例がほとんどなくても学習できます。

金額に基づくルールでは見逃していた新しい手口でも、通常の取引と大きく異なる動きをしていれば気付けます。

B不正解

確認済みの不正取引にラベルを付け、そのデータで不正かどうかを判定する分類モデルをトレーニングする。

不正と確認された取引を正解として学ばせるのは、入力と対になるラベル付きデータで学ぶ教師あり学習 (分類) です。過去の不正事例がラベル付きで十分にあり、同じ手口が繰り返される場合に向きます。

この企業には、不正と確認された過去の取引がほとんどありません。通常の取引の記録が大量にあっても、不正の例が少なすぎると、不正を見分けるパターンを学びきれないおそれがあります。

C不正解

生成 AI (GenAI) で不正の手口に関する資料を分析し、新しい保留ルールを作成する。

生成 AI に資料を読ませて条件を書き出させると、手口の資料から保留の条件を手早く作れます。既知の手口が多く、資料から条件を整理したい場面なら役立ちます。

今のルールで見逃しているのは、今の条件に当てはまらない新しい手口です。資料に書かれた既知の手口から作った条件は、まだ資料にない手口には当てはまりません。条件で判定するルールベースの仕組みである点も、今の保留の方法と変わりません。

D不正解

金額のルールで保留した過去の取引をラベルとして使用し、分類モデルをトレーニングする。

今の業務で付いている判断の記録を正解のラベルに使うと、件数の多いトレーニングデータをすぐに用意できます。今の人の判断をそのまま再現して自動化したい場合には有効な方法です。

この方法のラベルは、金額に基づくルールで保留したかどうかです。そのデータで学んだモデルは、今の金額のルールを再現するように判定するため、その条件で見逃している新しい手口の不正は、モデルでも見逃されます。

ポイント

不正の検知では、正解として使える不正の事例が十分にあるかどうかで方式を選びます。
・過去の不正事例が十分にあり、手口が繰り返される → 事例を正解にした教師あり学習 (分類)
・不正の事例が少なく、通常と違うものに気付きたい → 通常のパターンを学ぶ教師なし学習 (異常検出)
・手口が少なく安定し、条件で判定できる → ルールベース
今の保留の記録を正解のラベルにすると、モデルは今の条件を再現するだけで、条件が見逃している手口は見つかりません。「不正の事例がほとんどない」「通常の取引は大量にある」「今の条件に当てはまらない手口も見つけたい」という記述は、異常検出を選ぶ手がかりです。